理科教育ルネサンス

 

理科教育ルネサンス

 

 

 

 

 

 

 

「理科の達人先生」表彰について

第5回「理科の達人先生」の海外視察を2015年9月14日から9月19日までの日程で行われました。

今回の視察先は、中国となります。

 

詳細は、以下のレポートをご覧ください。

 

 

 

 

視察期日 : 平成27年9月14日(月)~9月19日(土) 6日間

視察地  : 中華人民共和国 3都市(北京、上海、蘭州)

 

 

 

------ 北京航空航天大学、航空航天博物館

 

 北京航空航天大学(英名:Beihang University)は、1952年に公立総合性大学の北京航空学院として創立された。キャンパスは北京市海淀区にあり、その巨大な敷地内にホテルや商店などもある独立した町ともいえる大学である。中華人民共和国の国家重点大学のひとつであり、1958年には中華人民共和国 における初めての軽旅客機「北京-1」を開発した大学である。
 大学組織としては、27の学部があり、180名のスタッフ(内150名が教授や助教授)がおり、学生数1000名、院生1000名が学んでいる。中華人民共和国全体(2000校)における北京航空航天大学の位置は上位9番目位にあり、学部卒業生の約70%が大学院に進学する。
 また、卒業生の50%は航空関係の仕事に就いている。
 大学としては人材育成を中心とした教育を重視している。例えば、放課後にも学生に対する指導を行っており、その効果は確実に出ている。また、学びのイノベーションを進めるために、国家レベルのものも含めて様々なコンテストに積極的に取り組んでおり、良い結果を得るとともに具体的な製品となっている技術もある。特に、航空技術に関して、世界の様々な大学と国際交流を行っている。
 アメリカへの留学生も多くいるが、卒業後そのままアメリカに残るということは少なく、多くの学生が帰国する。 学生のボランティア活動も活発に行われており、小・中・高校とのつながりや企業との連携も積極的に行われている。広く国民に大学の活動に対する理解を求める働きかけも行っているが、これは大学が発展していくために大切な取り組みとして位置づけている。

 

 

 

 

 

 

------ 北京市第35中学校

 

北京市に志成中学校を前身として、1923年創立した中学校(中高一貫校)である。4.6万平方メートルの敷地に昨年2014年に校舎が新築され、現在2000名程在籍している。

北京市には科学研究院と連携した教育拠点校が35校あるがその一つであり、科学技術に力を入れ、イノベーションの人材育成に取り組み、社会に貢献できる人材を育成、輩出することがねらいとの説明である。

 

 

 

 

 

------ 上海応用物理研究所 ( SINAP )

 

上海市街から車で1時間ほどの所にある。

90余りある中国科学院傘下の研究機関のひとつで、中国で最大の科学施設と言われるSSRF(シンクロトロン放射光施設)を建設した高い技術を持つ研究所である。放射線利用技術として先進的な放射光源技術、ビーム技術、プラズマビーム技術の研究等が行われている。

SINAPは1970年代初めに固体のトリウム塩を用いた臨界実験炉を建設・運転している。中国の熔融塩炉計画は、黒鉛減速・オンライン再処理なしの小型炉を主眼とし、初期燃料の233Uは、平行して開発するADS(陽子加速器によりトリウムから233Uを製造するシステム)で大量製造するとしているが、これらの構想は、日本の小型熔融塩炉FUJI計画と燃料サイクル概念THORIMS-NES計画と類似している。

 

中国における理科教育は大学入学制度による影響によって、受験の内容への偏りが大きい。SINAPは、小学校から大学までと連携を取りながら、理科教育普及のための拠点校ともなっている。

中国にとっての最大の課題はエネルギーの問題であり、その解決に原子力は欠かせないものであるという認識がある。将来的には国内エネルギーの10%を原子力で賄うことを目指しており、これによって現在主流である石炭エネルギーから発生する問題を解決していきたいと考えている。福島の事故は中国のこの動向にも影響を及ぼし、安全に対する関心の高まりから開発に規制があったが、現在は元に戻り研究開発は加速。

現在の原子力発電システムについては、水を用いずに冷却する第4世代のシステムの開発段階に入っている。毎年4億元の予算(インフラ含まず)の5年計画で、2030年には商業ベースに乗せた原子力発電を行う予定である。原子力に関する研究者の平均年齢は32歳と若く、産学が連携した研究を積極的に進めている。

 

 

 

 

------ 甘粛省博物館

 

前庭の広い博物館は、2006年12月に新築され国宝級の文物16点を含むシルクロードの中継地として栄えた甘粛省ならではの特色ある文物を有する博物館で3階建ての館内は「甘粛シルクロード文明」「甘粛の彩陶器」「甘粛古生物化石」と3つのテーマに分かれている。

 

 

 

------ 中国科学院近代物理研究所上海市甘泉外国語中学校、上海市内視察

 

 

   

 

 

 

------ まとめ

 

今回の海外視察では中国都市部の学校現場の視察や教育者との意見交換の貴重な機会を得ることができた。

視察団には中国語(北京語、上海語)の通訳2名が同行したため、中国と日本の理科教育の考え方や両国の違いをはじめ、細部にわたって多くのことを学ぶことができた。

中国都市部の教育関係者や科学研究者は大学院や大学以上の高等教育の学歴を有していて、一般にいうエリート階級に属している。そのため、我々の訪問に対応してくれたほとんどの中国の人は英会話が堪能であった。

 

 

 

 

 

※本件に関するお問い合わせは、理科教育ルネッサンス事務局「理科の達人先生」担当までメールでお送り下さい。担当e-mail [ master_teacher2011@rika.netj.or.jp ]