2011年11月7日、茨城県つくば市にある独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで、理科教育ルネッサンスは第22回の会合を開きました。
今回筑波宇宙センターで会合が行われたのは、JAXAからゲストスピーカーをお招きするにあたり、JAXAの施設も見学できればと言うことで実現したものです。

最初に、JAXAの立川敬二・理事長(上写真)から、「JAXAの概要」の説明を受けH-Ⅱロケットや人工衛星などの研究開発、世界の宇宙開発における日本のポジションなどを、政府の「宇宙基本計画」で掲げられている、JAXAの果たす9つの開発利用計画にそっての話しをお伺いしました。
- アジア等に貢献する陸域・海域観測衛星システム
- 地球環境観測・気象衛星システム
- 高度情報通信衛星システム
- 測位衛生システム
- 安全保障を目的とした衛星システム
- 宇宙科学プログラム
- 有人宇宙活動プログラム
- 宇宙太陽光発電研究開発プログラム
- 小型実証衛星プログラム
JAXAの進めるロケットの研究開発事業については、H-ⅡAロケットの打ち上げ成功率は94.7%と高く、世界的にも高いレベルを持っていることや、スペースシャトルに代わりISS(国際宇宙ステーション)への輸送を担う、宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」に対応するため開発された、H-ⅡBロケットなどを紹介。
7年間の歳月をかけ、小惑星「イトカワ」に到着し試料を無事採取持ち帰った、小惑星探査機「はやぶさ」。その後継機で、2013年に打ち上げを計画している「はやぶさ2」などの説明を受けました。

つづいて、川田恭裕・筑波宇宙センター長(上写真)から、「筑波宇宙センターの概要」として、ロケットや人工衛星の技術研究、管制業務を行っている、宇宙開発利用の中核を担う筑波宇宙センターの説明をお伺いした。

最後に、教育について、「JAXAの宇宙教育活動」と題し、広浜栄次郎 宇宙教育センター長(上・左写真)と、当会メンバーでもあるJAXA宇宙教育センターの中村日出夫相談役(上・右写真)からお話しをお伺いした。
JAXA宇宙教育センターでは、JAXAが持つ、宇宙に関するデータを教材として利用していること。地域の大人が地域の子供たちを育てる仕組みづくりとしての指導者育成など。幅広い分野で活動されていることを紹介。また、中村相談役からは「宇宙教育は宇宙のことだけを教えると思われがちだが、基本は宇宙の視点で教育を見直し、活かすことが宇宙教育と言われる」「宇宙は理科教育に関係があるのが、理科だけでなく全ての教科・領域で宇宙教育が実践できる」との話があり、新しい宇宙教育のあり方が紹介されました。
質疑応答では、JAXAが進める準天頂衛星(GPS衛星)の測位測定方法に関すること。NHKで放送された「宇宙の渚」などを例に挙げ、大変貴重な映像の数々を、教育・学術研究など広く利用するための、システムが有るのか。などが質問された。
その後メンバーは、筑波宇宙センター内をバスでまわり、
①50mもあるHⅡロケットの実機。(下・左写真) ②東日本大震災でも活躍し今年5月に運用を停止した、陸域観測技術衛星「だいち」のモデル。 ③ISS日本実験棟「きぼう」の実物大モデル(下右写真) ④スペースシャトルに替わりISSへ物資を届ける、宇宙ステーション補給機「こうのとり」のモデル などを見学。
普段は立ち入ることが出来ない、「こうのとり」や「きぼう」の運用管制室にも訪れ、メンバーにとっても大変有意義な一日となりました。

会合後の懇談の中で、危機管理の話にもなり、
その中で、起こりえないではなく、考えられるリスクを全部想定する。という考え方が紹介され、一定の条件下でリスクを想定することなく、少しでもリスクとして考えられるものは排除しない考え方に基づくシステム工学と、それを扱う人間に対する教育が、常に死と隣り合わせであった宇宙開発の歴史の中で培われ、今日のJAXAの宇宙開発計画があるのだと感じられました。
こういった考え方は、今後の日本の原子力などを含む巨大な科学技術開発に必要との言う意見も出され、有意義な見学会となりました。
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